「アトリエもりのさと」には、デッサンを学びたいという理由で体験会にお越しになる方が多くいらっしゃいます。
しかし、初心者の方の中には「デッサン」の意味を正しく理解していない方も多く、話を聞いてみると、実際にはデッサンよりもスケッチ的な表現に興味を持っていることがよくあります。
そこで今回は、「デッサン」「スケッチ」「クロッキー」の違いについて簡単に説明したいと思います。
(教室にあるデッサン、スケッチ、クロッキーの本の紹介)
デッサン、スケッチ、クロッキーの大まかな違い
まず、3つの違いをまとめた表を作成しました。
文章は、講師としての視点を加えつつ、チャットGPTの説明を補足したものになっています。
細かい点を挙げると色々ありますが、まずは大まかな違いを知るところから始めてみましょう。
デッサンについて

デッサンは、スケッチやクロッキーと比べて難易度が高いと言えます。
デッサンの基礎力があると、イラストを含めさまざまな技法に応用できるため、身につけるととても有益です。
しかし、筋トレのように地道な積み重ねが必要で、簡単に習得できるものではありません。
上の表で「デッサンは5時間以上描いてほしい」と書いた理由は、デッサンにおいて最も難しいのが仕上げであり、その練習をするためです。
完成度が6~7割程度の状態であれば、ある程度適当に描いても形になりますが、それを続けていると完成へのプロセスが分からず、なかなか上達しません。
また、私たちの目の前にあるものには輪郭線が存在しないため、輪郭線を描くとどうしても平面的な印象になってしまいます。
特に初心者は輪郭を強く残す傾向があり、輪郭を強く描くとモチーフの陰影が表現できていなくても「描けている」ように錯覚しやすくなります。
モチーフはあくまで光の変化を描いた結果として表現されると考えるとよいでしょう。
また、鉛筆デッサンでは基本的に線のみで表現するため、細かい描き違いをする技術が必要になります。
スケッチについて

スケッチは、デッサンやクロッキーに比べて表現の幅が広く、線だけで描くもの、ある程度陰影をつけるもの、色を加えるものなど、目的に応じて描き方が変わります。
基本的には輪郭線を主体に描くのが特徴です。
短時間で描く場合、細かい陰影をつけるのは難しいため、デッサンとは異なり、光の変化ではなく形を捉えることを重視します。
スケッチでは形の正確さよりも、手癖や個性が生かされた「味のある線」が魅力となることもあります。
ただし、その場合も「描いた線の質が重要」であり、基本的に「一発描き(修正なし)」で、緊張感を持って描くことが求められます。
クロッキーについて

クロッキーは、より瞬間的で感覚的な表現方法です。
基本的には線を使い、描き手が捉えた形のリズムや流れを表現します。
描いた線が実際の形と多少異なっていても、モチーフを観察して描いたリアルな線には、そのモチーフらしさが現れるものです。
コツとしては
- 線に強弱(抑揚)をつける(擬音に置き換えてイメージするのも効果的)
- できるだけ長い線を引く
- 画面をあまり見ずに、モチーフを見続ける
- 時間設定としては、まず10分程度から始め、5分、3分、2分、1分と徐々に短くしていくのが一般的です。
- 時間が短くなると余計なことを考えず、自分が本当に描きたい部分だけを素早く捉える練習になります。
また、ある程度疲れてきたほうが余計な力が抜けて良い線が描けることが多いため、あえて疲れるまで描いてみるのもおすすめです。
デッサン、スケッチ、クロッキーはそれぞれ目的が異なり、描き方にも違いがあります。
どれが優れているというわけではなく、それぞれの特性を理解し、自分の目的に合った描き方を選ぶことが大切です。
特にデッサンを学びたい方は、「描くこと」そのものを長く続けることが上達のカギになります。
ぜひ、楽しみながら描く習慣をつけていきましょう。
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