左:講師の浪人時代の作品、右:左の絵を加筆したもの
今年最初のブログです。
上の画像は、左が約20年前に描いた作品で、右はその作品に加筆(アドバイスという意味合い)をしたものです。
技法的には油絵ですが、20年前の作品は簡易的なテンペラ技法(水彩絵具と卵黄を混ぜたものと油絵具を併用)で描いていました。
また、改めてお知らせしますが、秦野のカルチャーセンターから講座の依頼をいただき、講師作品として出品するために今回の加筆を行いました。
当時、私は予備校で浪人2年か3年で、デッサンの理解がまだ十分ではない時期でした。
具体的には、陰影の変化や、絵具の不透明と透明の扱いについて完全には理解できていませんでした。
私が、デッサン的な陰影の変化を「完全に理解した」と実感できたのは、浪人4年目の夏でした。
つまり、私がデッサンの基礎を本当に理解できたのは、かなり遅い段階だったと言えます。
しかし、だからこそ基礎力の大切が強い実感としてあります。
空想の空間や物体を3次元的にリアルに見せるためには、このデッサン力が必要です。
もう少し具体的には、想像して描く物体や空間の陰影のシュミレーションが全て脳内で出来るという意味合いです。
デッサン力が身についたことで、私の作品の表現は客観的に魅力を伝えられるレベルに成長しました。
上記のようなレベルまでにいかなくても、デッサン力はイラストやアニメーションなど、幅広い分野で応用可能な基礎力です。
これを習得するためには、筋トレのような地道な訓練と、自分の見方(認識の仕方)が間違っていることを認める客観性が必要です。
「できる範囲で楽しく描きたい」という方には、モチベーションを保つのが難しく感じられるかもしれません。
特に独学で学ぶのは非常に困難です。
しかし、一度身につけると、さまざまな表現に応用できる大きな基準となります。
もし「本格的にデッサンを学びたい」とお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽に「アトリエもりのさと」までお問い合わせください。