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デッサン人形があっても自然なポーズにならない理由と、人物のバランスの基本


 

少し前に、デッサン用に精巧なフィギュア「東亜重工製 合成人間 クリアVer. 1/6 アクションフィギュア」を購入しました。

商品はクリアモデルなのですが、上の写真は自分で塗装しました。

私が知っている中では一番精巧なのですが、価格も高いため2年間購入するか悩みました(笑)

購入してみて感じとしては、とても良かったです。

 

ただし、タイトル通り、実は精巧なデッサン人形があっても上手く使えないとあまり参考になりません。

今回は購入したフィギュアと使い方について書きたいと思います。

 

 

 

 


こちらは塗装がされているバージョン

 

フィギュアを固定するスタンド

 



<塗装前の写真は適当に撮影したものしか残っていませんでした>

 

上にも書きましたが、購入した商品はクリアだったため自分でグレーに塗装しました。

(なぜホワイトではなく、グレーなのかはこちらのブログで説明しています)

 

クリアパーツだと、どんなに精巧でも陰影が非常にわかりづらいです。

また、塗装は光沢があると反射して見づらいのでつや消しにしましょう。

 

 

 

 

頭はマスクを付けていて、取り外しが出来ます。

取り外した頭のアゴも動かすことが可能です。

さらに分解すると、眼球の向きを変えることもできます。

 

 

 

 

手は3種類あり、足の指の付け根が曲がります。

 

 

 

 




 

上の写真のように幅広いポーズが出来ます。

ただし、色々なポーズが出来るフィギュアでも、そのポーズが人体の構造にそっていないと不自然なポーズになってしまいます。

つまり、人体の構造をある程度理解している必要があるわけです。

 

そこでお勧めなのは、まず自分でポーズをとってみることです。

さらに、ポーズを撮った写真を撮ってもらうのもいいです。

一人の場合は鏡や三脚、リモコンなど使ってみましょう。

自分でポーズをしたときに重要なポイントとして、「どこに力が入ったり、重心がどこにあるかなどを自分の体から感じ取ること」が大切です。

一見自然そうなポーズでも、実際に自分でしてみると、かなり無理があったり、物理的に出来ないことがあります。

例えば、手首の力を抜くのか、反らすのか、曲げるのかだけの違いでも、体にかかる負担が大きく変わることがあります。

自分でポーズをしていみると、このような視覚ではわからない情報が体感できます。

 

 

別の方法として、PCなどで人物クロッキー用のソフトを使うことも1つの方法です。

自動でポーズをしてくれたりするので、不自然になりづらいです。

例えば、「DESSIN POSE」というサイトがあるのですが、シンプルでわかりやすいと思います。

 

 

 

 


画家視点でみる、人物の形とバランスの基本


<講師の予備校時代の絵です>

 

最後に人物を描くときのポイント2つ話します。

1つは体の傾きのバランス、2つは頭と重心の位置についてです。

 

1つ目の話は、人物を描くときに、上の画像のように「目、肩、腰の線をジグザクにする」と基本的に自然なポーズになります。

ただ、前提としては動いている瞬間のポーズではなく、長く静止できるポーズの場合です。

短い時間でのポーズは、無理やり力を入れれば、結構何でも出来ます。

 

ジグザグにする理由は、人間は完全に左右対称ではなく、バランスをとる必要があるからです

頭のちょっとした歪みや傾きを支えるために、肩が逆の傾きになり、さらにそれを支えるために腰の傾きが逆になるという感じです。

自分の描いたポーズにポーズが固いと感じた場合、この傾きを意識してみるといいと思います。

さらに首、頭、首、肩、腰などに少しひねりを加えてみてもいいかもしれません。

ポーズは、少し大げさにする程度の方が、案外自然な感じに見えます。

 

 

 

写真ACさんのフリー素材を使用しています>

 

もう一つは、立っているポーズの場合で静止画できるもの場合、頭の真下付近に軸足があることです。

上の画像を見るとわかりやすいと思います。

ちなみに、左右の足に半々ぐらいの力を入れれば頭はその中心の線上になりますが、そのポーズを長く維持するのは実は大変です。

試しに実際にしてみるとわかるのですが、私たちは無意識にどちらかの足に体重をかけていることが多いです。

 

逆に、激しい動きの始めや途中は、このバランスが崩れることが多いです。

例えば、実際に直立して、頭を重心の足からどんどん遠ざけてみると、それを支えるために自然に足が動いてしまいます。

素早い動作は、このように自然に体が動くように、安定したバランスを崩すように動いていると思います。

これを利用して、激しい動きやバランスを崩したポーズにする場合は、頭の真下付近に軸足がない方がいいわけです。

 

 

 

以上、デッサンの人形の使い方と人物を描くときにバランスの基本のお話でした。