今回は「続けるかどうかわからないから、なるべく低予算で最低限の道具で揃えたい」、そんな方へ向けたお話です。
教室でデッサンの授業を希望する方はとても多いです。
デッサンの力を身につけることは、物を自然に描くことやイラスト上手く描くことにも関係があります。
ただ、デッサンは筋トレのように地道な努力が必要なので続けるのはなかなか難しいです。
そんなことで手軽にデッサンを始めてみたいときに必要な道具をまとめました。
ただ、本当に最低予算を考えたので、少し使いづらいものもあります。
しっかり始めたい場合は、<コチラのページ>に教室で使用している道具リストがあります。
2000円以下でも揃う低予算、必要最低限の道具リスト
・デッサン用鉛筆(2B、F、2H) 三菱ハイユニだと世界堂(大手の画材屋さん)で1本132円。
・ネリゴム 200円程度。
・芯研器 275円程度
・カッター 100~350円程度。
・画板(クリップボードで代用) 100円
・スケッチブック(B4程度) 330~740円程度
・イーゼル(読書台で代用) 220円
・はかり棒(竹ひごか、編棒) 110円
・ティッシュ(家にあるもの)
・輪ゴム(家にあるもの)
・いらない紙(A4程度のもの)
・立方体(描きたい場合は買いましょう)110円
※道具の価格は基本的に税込み価格にしています。
鉛筆(2B、F、2H)
鉛筆は専門メーカー(三菱:ハイユニ、ステッドラー:マルスルモグラフ)の商品を買いましょう!
普通の鉛筆だと濃さのバリエーションがないことと、描き味がかなり違うので専門メーカーの商品を買いましょう。
メジャーな鉛筆は以下の2種類です。
・三菱 ハイユニ
・ステッドラー マルスルモグラフ
特にオススメは三菱のハイユニです。
この2種類であればどんな画材屋さんでも売っていると思います。
ハイユニはホームセンターや文房具屋さんでも見かけることがあります。
ハイユニの方が柔らかめで粘りがあり、誰でも使いやすいと個人的に思うのと、予備校時代を見てもやはりハイユニを使っている人が多かったです。
講師もハイユニを使っていますが、以前はマルスルモグラフを使っていたいました。
理由は見た目がオシャレだったからなのですが、ハイユニを試したときに描きやすさに驚いた記憶があります。
特徴としてはハイユニと比べて硬めの印象です。
教室で鉛筆は2B、B、HB、F、H、2Hの6種類を購入してもらいますが、予算をかけたくなければ2B、F、2Hの3本を買いましょう。
というのも、最初は2BとBなどの細かい差はあまりわからないの思うので、
2B:濃い、芯が柔らかい、ザラザラしている
F:中間
2H:硬い、芯が硬い、滑らか
という3段階の違いで覚えるといいと思います。
このくらい差があると、描いたときに違いもわかりやすいです。
ちなみに下に参考で商品リンクを貼ってはありますが、単品で数本買うならば近場の画材屋さんや世界堂さんなどで買ったほうがお得です。
あと、とあるデッサン初心者向けの本にファーバーカステルというメーカーの鉛筆(カステル9000鉛筆)を揃えましょうという内容を見ました。
ファーバーカステルは専門メーカーで、個人的には色鉛筆の印象が強く、デッサン用の鉛筆を使っている人は珍しいと思います。
少なくとも講師は予備校時代にファーバーカステルのデッサン用鉛筆を使っていた人を見た記憶がありませんが、一応こちらも紹介しておきます。
ネリゴム
必ず「伊研 ネリゴム No.30」を買いましょう!
他の練りゴムが100円ぐらい販売していて、上記のネリゴムは200円ぐらいと値段は倍しますが、消す力が圧倒的に強く非常におすすめです!
ネリゴムは消しゴムより消す力が弱いです。
その分、微調整が出来るのですが、消す力が強いとより細かい微調整が出来るのでこのネリゴムを使っているかどうかで描きやすさがかなり変わります。
講師は初めて買って試したときの衝撃を今でも覚えています。
ただ、このネリゴムは大きめの画材屋でないと販売していないかもしれません。
芯研器
鉛筆の「芯」だけを削るために必要な道具です。
デッサン用の鉛筆は普通のものよりも長く削ります。
そのようなことで長く出した芯を削るのに必要な道具です。
カッターや紙ヤスリで削る方法もありますが、かなり面倒なので安価な芯研器を揃えましょう。
上の画像のようにデッサン用の鉛筆は削ります。
ただし、B系の鉛筆は芯が柔らかいのでほどほどに尖らせましょう。
カッター
100均のでもいいですが、出来れば金属フレームのしっかりしたものがオススメです。
カッターは鉛筆を削るために使います。
デッサン用の鉛筆は普通の鉛筆よりも細く長く削ることは芯研器のところでしました。
フレームがプラスチックだったり、100均の薄い金属製の場合、鉛筆を削る際にフレームが反ったりして少し削りづらいです。
少し値段が上がりますが、大手メーカーのしっかりしたフレームで切れ味のいいカッターのほうがオススメです。
あと、どちらにしても、切れ味が悪くなったら早めに刃を変えましょう。
教室や講師が仕事で使っているカッターです。
イーゼル
ダイソーの読書台で代用しましょう。
また、デッサンを描く場合、画面を立て掛けて描くことはとても大切です。
イーゼルとは画面を立てかけるための道具です。
デッサンは画面を立て掛けて、はかり棒(後で説明します)を使いながら描くことでモチーフの形や比率、角度などを正確に描くことが出来ます。
(詳しく<こちらのブログ>で)
そのようなことで、卓上で使うイーゼルの代用として読書台を使いましょう。
下の写真のダイソーの読書台が手軽でオススメです。
ただし、多少のガタツキはあります。
もう少し、予算を出していいならば<こちらにブログで>アマゾンで販売している読書台と改造方法の紹介をしています。
机の置いて高さが低い場合は何か下に物を置いて調整しましょう。
プラ製で軽く滑りやすいですが、輪ゴムをつけると滑りません。
調整できる角度は90°ぐらいまで出来きます。
注意点としては、基本的に用紙は横長が前提です。
台が小さいのでA4ぐらいでも縦長で使うと倒れてしまいます。
一般的なイーゼル
卓上で使うイーゼルもあり、読書台はこの代用です。
上記の商品は教室の生徒さんが実際に購入して使っている用品です。
値段は高いですが、しっかりとした作りで良い商品でした。
ダイソーで売っている読書台
滑り止め用に黒い輪ゴムを付けています
画板
100均のクリップボードが手軽でオススメ。
画板(カルトンとも言います)をちゃんとしたものを買うと2千円前後するので、とりあえず手軽に揃えるなら100均のクリップボード(B4)がオススメです。
こちらの商品もダイソーのものです
注意点として、上で紹介している読書台を使う場合はB4サイズのクリップボードの「横置き」が限界サイズです。
それ以上は不安定になります。
(2023/2/5追記)
クリップボードで描くと少し硬い印象がありました。
オススメとしては、こちらもダイソーで売っているカッターマットを下敷きのよう使うといい感じでした。
ダイソーのクリップボード(B4)
スケッチブック
糊付けタイプの物の方が使いやすくオススメです。サイズはB4がオススメ。
糊付けされたスケッチブックだと、一枚一枚破って使うときに破り目が真っ直ぐで便利なのでオススメです。
リングタイプのスケッチブックだと、リングに繋がっていた部分がギザギザして使いづらいです。
ただし、糊付けのほうが価格がかなり高くなります。
また、100均などのスケッチブックは紙が薄く、そもそも画用紙でないことも多いので使用はオススメしません(当然描き味が違います)。
下で紹介する、スケッチブックはお手頃価格でオススメです。
教室でも使っています。
<重要>画面のサイズはできるだけB4にしましょう!
紙のサイズはA4が一般的に印象ですが、デッサンを描く場合はちょっと小さいです。
出来ればB4サイズぐらいはほしいところです。
さらに注意点として、画板とスケッチブックは同じサイズものを揃えたほうが無難です。
上で紹介した読書台もB4サイズ横長で使うのが限界です。
教室で使用している手頃な価格の天のりスケッチブック
リングタイプだと凄く安くなります
はかり棒
モチーフの長さ、比率、角度などをはかるための棒です。
はかり棒は30cm程度の細くて真っ直ぐな棒であれば基本的に何でもいいです。
ちなみに教室では、はかり棒を使う生徒さんにはステンレス製の棒で作ったものを特典としてプレゼントしています。
ダイソーで何か使えないか探していたところ、竹製の編棒か竹ひごがオススメです。
下の写真の太さ以上でも以下でも使いづらいので確認をしてみて下さい。
デッサンはなんとなくモチーフを見て描いてるだけでは上手くなりません。
上手い人はセンスや才能でなんとなく描いていると思われがちですが、それは誤解です。
もちろん、描く力が身につくとほぼ使わなくなりますが、それは文字通りその能力が「身についた」からです。
当然ですが、はかり棒は自分の感覚ではない、客観的な基準になります。
デッサンの始めは、物をしっかり観察し、はかり棒を使うことで日常に思っていたイメージとの違いを実感して発見することがとても大切です。
描いたものと実際のモチーフを比較して間違い探しのような感覚で描けると少し楽になるかなと思います。
ダイソーの竹製編棒(6号)
ダイソーの竹ひご
その他
・ティッシュ
描いた部分を擦ってぼかすときに使います。
高めでしっとりしたものより、普通のティッシュのほうがおすすめです。
・輪ゴム(2個)
上で紹介した読書台の滑り止めに使います。
・いらない紙(A4程度)
実はデッサンでは紙を定規代わりにしたり、マスキングテープのように描いた部分を覆ってネリゴムで消すことで真っ直ぐに消せるなど、いろいろと使います。
紙の縁に紙を合わせれば、水平線や垂直線も簡単に描けます。
コピー用紙的なものがあればいいです。
・立方体(モチーフ)
発泡スチロールの立方体がダイソーで売っています。
小さいと細部が描けないので、購入する場合は一番大きいものを買いましょう。
ティッシュの使い方
紙の使い方
最後に描くモチーフは、最初はあまり難しすぎないものが良いです。
しっかり身につけるならば、立方体か球がオススメですが、箱やリンゴなどの近い形のものでも良いと思います。
後は、なるべく描きたいものを選ぶこともモチベーションが続きます。
ちなみに、ここで公開している教室で作った教本「はじめてのデッサン 入門の入門」は道具の説明から、立方体を描くための説明がまとめてあります。
このHPや他にもデッサンの知識はいろいろと紹介されています。
それでも分からない、教室に通ってみたい場合は是非一度「アトリエもりのさと」まで気軽にお問い合わせ下さい。