(※画像はイメージです)
※ 2023/12/30,2024/3/31に一部加筆修正
教室で油絵を始める生徒さん用にまとめた情報にいろいろ改良したことを投稿します。
詳しい説明についてはかなり長文になりますので必要なものリストだけでも参考にしていただければ幸いです。
ネットなどで油絵の入門セットの商品をみると一部微妙なものが入っている印象を受けます。
具体的には、
①出来るだけ定価価格で提供するためにかなり妥協しているもの(慣れてくると使わないもの)。
②実際に使うとあまり必要じゃないもの。
③明らかに使わない使いづらいもの。
こんな感じです。
このブログでは出来るだけ低価格で本当に必要で使えるものを講師が考えましたので参考していただければと思います。
金額としては2万円以内ぐらいで大手画材屋の世界堂さんなどで安く購入できます(定価だと2万円をオーバーします)。
画材はなかなか割引されないのですが世界堂さんだと油絵具・画用液3割引や会員になると7%分のクーポンも付きます。
また、世界堂さんの自社ブランドの絵筆や画用液などは値段が安いのでオススメです。
八王子近辺に住んでいる方がいれば東美八王子店さんなども価格が安めで講師は学生時代にお世話になりました。
また、ネットで購入する場合安い場合もありますが送料込みの価格表示の場合も結構あるので注意が必要なので定価などを調べてから購入することをオススメします。
ちなみに自宅で絵を描く場合の壁や床などの環境づくりについてはこちらブログで説明しています(2023/6/20追記)
必要なものリスト(合計金額2万円以内ぐらい)
1.油絵具(日本のメーカーをオススメします)
①必ず揃えたい絵具(20ml )
【赤系】
クリムソンレーキ(透明)
カドミウムレッド(不透明)
【黄色系】
イエローレモン(半透明)
カドミイムイエロー(不透明)
イエローオーカー(不透明)
【青系】
ウルトラマリンディープ(透明)
セルリアンブルー ヒュー(半透明)
【緑系】
ビリジャン ヒュー(透明)
【紫系】
モーブ レッドシェード またはモーブ(透明)
【茶系】
ブラウンピンク(透明)
【白系】
チタニウムホワイト 10号(50ml) (不透明)
②あると便利な絵具
【緑系】
カドミウムグリーン(不透明)
【黒】
ピーチブラック(半透明)かアイボリーブラック(不透明)
<日本の主なメーカー>
↓
2.絵具以外に必要な画材
絵筆
・ナイロンの筆4本程度、豚毛の筆3本程度、刷毛1本。
同じ種類の筆は大きさを変えて購入しましょう。
オススメ商品などは後半に紹介しています。
画用液(油絵は油性なので水ではなく画用液を使用します)
・テレピン(ターペンタインとも呼ばれます)55ml
・ホルベイン クイックドライングメディウム 55ml
※容量はどちらも一番小さいサイズでとりあえずいいと思います。
絵皿(2枚。陶器のもの)
ペインティングナイフ(専門メーカーのものを買いましょう。絵具を混ぜたり塗る道具です。)
オススメは「ホルベイン Aペンチングナイフ(シリーズA) No.14」(個人で好みあり)
速乾メディウム(絵具に混ぜて乾燥を早くするもの)
・ホルベイン ラピッドメディウム 50ml
ペーパーパレット(紙製ということが重要です)
F6サイズ(一番大きい)のものでメーカーはどこでもOK。
キャンバス(オススメサイズはF6~F20程度)
ダイソーのキャンバスでも注意すれば十分使えます。詳しくは後ほど。
3.油絵の道具のお手入れに必要なもの
・筆洗器(筆を洗う容器。必ず密封形を購入しましょう)
・ウォッシングオイル(ブラシクリーナー、筆洗油などとも呼ばれます。油性のクリーナーで筆洗器にいれて仕様します)
・水性クリーナー(油性クリーナーの後に使います)
・水性クリーナー用容器(塗料保存用の密閉容器で直径8cm以上,300cc以上程度のもの)
・石鹸(※)
・洗い流さないリンス(※)
・ブラシ(※)
※の道具について詳しくは<筆のお手入れのページ>で紹介しています。
↑水性クリーナー容器
4.画材以外で必要なもの
・箱ティッシュ(使用中の筆を拭く)
・ボロ布、キッチンペーパー(筆の掃除のときに使う)
5.あると便利なもの
・2B~8B程度の鉛筆(下書き用)
・ネリゴム
・消しゴム
・筆立て(使用中の筆用と使用前の筆用の2個)
以上が必要なものです。
【購入をオススメしないもの】
・木製のパレット
・油つぼ(画用液を保存する容器。クリップ付きでパレットに取り付けれる)
・初心者セットについてくる収納箱
・パレットナイフ
詳しい説明などは後ほど。
道具の詳しい説明
以下詳しく説明していきます。
【絵具】
日本メーカーをオススメする理由
1.どの画材屋さんでも基本的に売っている。
2.絵具の名前や説明が日本語。
このような理由です。
2に関しても重要で絵具の名前や性質を覚えるために便利です。
(例えば、赤色でも「カドミウムレッド」や「クリムソンレーキ」などいろいろな名前があります)
日本メーカーさんだと、ホルベイン、クサカベ、マツダなどがあります。
どのメーカーも低ランク(※)のものはほぼ同じ価格ですが高ランク(※)のものは200円ぐらい違いがあります。
※詳しくは、絵具の性質の違い「不透明と透明」で。
日本の主なメーカー↓
高級絵具は買う必要はない
メーカーさんによって標準とは別に高グレードの商品がありますが初心者の場合は買う必要はありません。
理由としては
1.最初からその違いはほとんどわからないと思う。
2.高い絵具でケチケチ使うよりも絵具の量を気にしないでは多めに使う方がいいから。
こんな理由です。
絵具の性質の違い『不透明と透明』
予算的が厳しい場合、単品で購入するのが面倒な方はセットを買うのも1つの選択かなと思います。
ただ、入門セットは出来るだけ低価格にするための絵具が多く入っているので実際使うと結構使いづらいです。
簡単に説明すると油絵具には不透明、半透明、透明があります(チューブにも書いてあります)。
そして不透明で鮮やかな絵具は高い場合が多いです。
油絵具は使用している原料(顔料)で値段(ランク)が全然違います。
例えば、赤色の「クリムソンレーキ(透明)」と「カドミウムレッド(不透明」)」では3倍ぐらい値段が違います。
不透明は下の色を覆う力が当然強いのに対して、透明は透けます。
そのような性質の違いがあることはとても重要です。
絵具のリストは講師が考えた基本的な色の透明色と不透明色のセットを最低限揃えたものになります(一部例外あり)。
<不透明と透明の構造:画用紙とセロファン>
不透明:上の2枚、青・黄色の画用紙
透明:下の黄・赤・緑のセロファン
↑定価500円(税込550円)
↑定価1600円(税込1760円)
理論的には3原色(赤、青、黄)があれば他の色は作れる
色には3原色(赤、青、黄)があります。
この3色は混ぜ作ることが出来ませんが、他の色は混ぜて作ることができます。
例えば、オレンジなら赤と黄色、緑なら青と黄色になったり3原色を混ぜると理論的に黒になります。
そのようなことで絵具を出来るだけ少なくしたい場合は3原色中心に購入するといいです。
パステル系の色などは基本的に色を混ぜて作って白を加えると大体出来ます。
ただし、絵具はPC上で機械的に混ぜたような色が出来る訳ではないので注意もが必要です。
例えば、先程出てきた赤色の「クリムソンレーキ(透明)」と「カドミウムレット(不透明)」を混ぜると不透明のカドミウムレッドの色が圧倒的に強いので、同じ量の絵具を混ぜてもその中間の色になりません。
また、顔料の相性によって濁りやすいなどもありますがこれは実際に経験して慣れるしかないです。
【絵筆】
初心者セットに入っている筆だと数も種類も少ない
先程説明したように絵具には不透明、透明などがありますので出来れば使い分けたほうがいいです。
また、色も補色(真逆の色、赤←→緑)などを使うと濁るのである程度似たものを使ったほうがいいです。
そのようなことである程度筆の本数がいります。
ちなみに油絵具で色を変える場合は画用液に筆をつけたり、直接ティッシュで拭き取るなどします(ウォッシングオイルで一度洗う方法もありますが講師的にはオススメしません)。
あと、筆の素材はナイロン、豚毛、馬毛など様々ものがあり描き味に違いがあります。
とりあえず安価でバランスが良いのはナイロン製の絵筆です。
具体的にオススメする絵筆
①100円均の筆(毛質:ナイロン)
ダイソー マンガ筆
ダイソー ナイロン筆 4本セット(平筆)←若干硬めで使いづらいが可
セリア ナイロン筆(4号:丸形、8号、12号:平形)
※100均の絵筆は当たり外れが非常に大きいので上記以外の絵筆の購入はオススメしません。
オススメの100均絵筆について以下のブログで詳しいレビューをしています。
<100均で絵画入門にそろえるオススメの筆 <水彩・アクリル用筆、選ぶポイントなど>
<100均で絵画入門にそろえるオススメの筆 ②<水彩・アクリル用筆など>
②豚毛筆
形状:平筆かフィルバード(※)
個数:2,3本(サイズは4~12号程度)で大、中、小という感じで3種類揃えましょう。
※筆の形状については武蔵野美術大学のホームページの造形ファイル「油彩画用筆」というページがとても分かりやすいです。
豚毛は絵筆の中で毛質が硬いのが特徴で細部を描くのは難しいですがタッチ(筆跡)残して描くのに適しています。
わかりやすいイメージだと印象派(モネなど)や、ゴッホ、マティスみたいな感じで描くのに使います。
画材店にある画材メーカーのものであれば一番安いもので問題ないです。
手軽でお勧めなのは「ホルベイン 油彩筆 KC(フラット・豚毛)」の4,8,12号サイズです。
③刷毛
ワシン ラックハケ 33mmか50mm
値段が非常に安い割に質感の良い刷毛です。
刷毛は広い面を塗るために最低でも1本は持っておきましょう。
この刷毛は本来ニスなどを塗る用ですが講師的には画材メーカーの中級ぐらいの質感でとてもお得な商品だと思います。
実店舗では世界堂のホビーコーナーで見かけました。
こちらの刷毛の詳しい内容は以下のブログで紹介しています。
<初心者~中級者にオススメのあまり知られてない刷毛<絵画用>>
※33mmの刷毛が生産中止になったので50mmの商品のリンクを貼っています(2023/12/30追記)
(2023/12/30追記)
上記のお勧めしていたワシン ラックハケが生産終了になってしまいました。
ということで、講師が思う専門メーカーで同じぐらいの品質のものを紹介します。
【画用液(溶き油)】
油絵具は驚くほど乾かないので「速乾性」の画用液を買いましょう。
油絵具は水性ではないので水のかわりに油性の画用液を使います。
また、画用液は色々な種類があり性質が違うのですが速乾性のものを買いましょう(画材メーカーHPに詳しい説明が載っています)。
速乾性でない溶き油を使用すると1ヶ月、またはそれ以上乾かないこともあります。
教室では必要最低限に絞って2つ選びました。
①テレピン(ターペンタインとも呼ばれます)(55ml)
・油絵では必須な画用液です。
・揮発性の溶き油で水のようにサラサラしています。
・揮発性なので速乾性なので他の溶き油に混ぜると乾燥が速くなります。
・絵具を溶かす性質もあるので仕上げにいくにつれて使う量が減っていきます。
・画材メーカーのものであれば問題ないので一番安いものでいいと思います。
・乾燥するとツヤはまったくありません。
(実は工業用のテレピンの方が安く使用に問題ないものもあるですが説明が難しいので興味があれば調べてみて見て下さい)
②ホルベイン クイックドライングメディウム(55ml)
・講師も使用している画用液です。
・速乾性でツヤがあるのが特徴的です。
・注意点としてはあまり大量に使いすぎると乾燥しても表面がベタつきます。
・粘度は水より少しトロッとしています。
・更に乾燥を速くしたい、少しツヤを抑えたい場合はテレピンを少し混ぜると便利です。
【ペインティングナイフ】
基本的には専門メーカーのしっかりした大きめのものを1本購入しましょう
ナイフは一度買うとずっと使えるので良いものを1本買いましょう。
あと、大きいナイフがあれば小さいナイフの仕事は大体できます(ナイフの先端だけに絵具をのせれるなど)
あまり大きいと細かいところで使いづらいので長さ8cm、幅2cm程度のものがいいと思います。
注意点として、ペインティングナイフの良い悪いは個人の好みが違います。
柔らかめが好きな人もいれば硬めが好きな人もいるので、これが正解、最強というものはありません。
もし、他にペインティングナイフをもっている方がいればと貸し合いをすると自分にあったナイフが見つかると思います。
教室で生徒さんの反応をみていると比較的柔らかめのナイフの方が良いような感じでした。
一応オススメとしては「ホルベイン Aペンチングナイフ(シリーズA)No.14」という商品です。
とりあえず揃えるなら、「リキテックス ペインティングナイフ S #12」が非常に安価でオススメです。
【ペーパーパレット】
出来るだけ一番大きいサイズを買いましょう
紙でできたパレットでアクリル絵具や油絵具で主に使います。
慣れてくると分かりますが小さいパレットに利点は基本的にないのでF4以上のサイズをオススメします。
汚れたら紙を1枚剥がして使います。
油絵の豆知識として絵具はパレットにラップをかければ1ヶ月ぐらい固まらずに使えますので捨てないで保管しましょう。
また、パレット足らないと感じたら一枚破いてダンボールなどにのせれば何枚でも増やせます。
【絵皿(陶器)】
プラスチックの皿は溶けます
プラスチック製の絵皿だと皿自体が溶けるので買わないようにしましょう。
陶器の8cmぐらいのお皿をテレピンとクイックドライングメディウム 用で2枚買いましょう。
また、色が塗ってある皿だと溶き油の濁り具合などがわかりづらいので白いものを買いましょう。
100均などのお皿でもいいですが画材屋さんの絵皿の方が少し安いかもしれません。
【速乾メディウム】
油絵具を盛り上げて描く場合、使用しないとまったく乾きません
目安として絵具を1ミリ以上盛り上げる場合は速乾メディウムを使いましょう。
速乾メディウムは絵具の性質を変化させる基本的に透明な混ぜものです。
ホルベイン 画用液 ラピッドメディウム 50ml
・速乾メディウムの中でも乾燥が早い。
・ほぼ透明で若干黄色い。
・絵具と同じぐらいの粘度(高め)なので扱いやすい。
(粘度は低くしたい場合は溶き油を混ぜればいいのですが高くするのは大変です)
・厚く盛り上げる場合にも粘度が高いほうが塗りやすい。
・絵具に対して半分ぐらい混ぜるのがオススメで2,3ミリぐらい厚く塗っても30分ぐらいで乾燥すると思います。
・絵具を少量にしてほぼメディウムの割合にすると透明で厚い層が作れます。
※メディウムだけだと透明な状態から数年後に黄変する可能性があります。
【キャンバス】※厳密にはキャンバスは麻などの布ですが「木枠と布のセット」の意味で使います。
紙タイプやダイソーで売っているものもあります
・ダイソーのキャンバス
最近ダイソーでもキャンバスを見かけます。
使った感じとしてはこの価格だったらとりあえずはありかなと思います(ちなみに絵具が乾きにくい印象でした)。
ただ、1点注意としてキャンバスにシワがよっていたり、たわんでいる状態のものは買わないようにしましょう。
シワやたわみを伸ばすにはキャンバス張り器などの専門道具で張りなおす必要があります。
とりあえず始めるならばキャンバス張り器などは必要になったときに購入するといいと思います。
また、木枠の強度や作りも弱く粗いので一度切りの使用をオススメします。
ちなみにちゃんとした木枠はキャンバスを剥がして何度も使えます。
↑キャンバス張り器とはこういうものです。
これにキャンバスを挟んで引っ張りながら木枠にタックスという釘やステイプルというホチキス的な刃で固定します。
この写真の商品のレビューやキャンバスを剥がすときに便利なものを以前ブログにまとめました。
<関連リンク>
・キャンバスを剥がすときにオススメの道具など(タックス、ステイプル<ガンタッカー>外し)
(2021/7/1追記)
専門メーカーのキャンバス
ダイソーと比べると当然高いですが頑丈で安心できます。
また、重複しますが何度もキャンバスを張り替える場合は専門メーカーのもの一択です。
専門メーカーだと世界堂さんのキャンバスが知っている中では一番安いと思います。
また、木枠には杉と桐がありますが、杉は少し重めで硬く頑丈で桐は軽めで軽く柔らかいです。
油絵用の紙(ペーパーキャンバス)
油絵具で描ける紙もあります。
普通のキャンバスと使った感じもそれほど変わらないかなと思います。
キャンバスだと保管の際に木枠の厚みでかさばりますが紙はその点便利です。
また、額に入れる場合も紙用の額のほうが安く手軽です。
下のある用紙はアマゾンで評価が低いですがレビューを見ると内容は発送トラブルでした。
教室でこの商品は体験授業や描き始めの人に使用しています。
最近パッドタイプのものを見つけて購入してみましたがこちらのほうがいいかもしれません。
紙の左辺が糊付けされていて一番下が厚紙なので自立します(リングタイプじゃないスケッチブックみたいな感じです)。
また、アマゾンで見てみるとなぜがパッドタイプの方がサイズが大きいのに1枚の単価が安いかったです。(2021/4/19追記)
最近、この商品を購入しようしたら販売価格が倍ぐらい値上がっていました。
価格で考えれば、キャンバスとかなり近くなったので悩みどころです。(2023/6/25追記)
↑油絵用の紙
↑パッドタイプの油絵用の紙
【画材以外で必要な道具】
油絵具を拭き取る道具
箱ティッシュ
筆やナイフを使って違う色が混ざらないように塗る場合は一度ティッシュなどで拭き取ります。
厳密に色を調整する以外は洗わずに違う絵具を使って大丈夫です。
溶き油などにつけて汚れを落とす場合でも一度拭き取ってからにしましょう。
溶き油があっという間に汚れていまします。
あと、ナイフを使った後に絵具を拭かないで放置する生徒さんを見かけますが使い終わったらすぐ絵具を拭き取りましょう。
ナイフについた絵具が乾燥してしまうと拭き取るのが大変になります。
ボロ布、キッチンペーパー
使い終わった筆を拭いたり、刷毛を拭くときにあると便利です。
特に筆洗器で洗った後は筆がビシャビシャになるので一度拭き取ってから水性クリーナーにつけましょう。
また、筆洗器の中のウォッシングオイルは石油系なので拭き取らないで洗面所で洗うなどしないようにしましょう。
【お手入れの道具】
油絵具を使った筆類はしっかり洗わないとあっという間にガチガチに固まります。
ガチガチの筆と新品のような筆では上達の度合いや描きやすさが違います。
油絵具を使った筆は油汚れなので水彩絵の具やアクリルのような感じで洗ってもきれいになりません。
手間はかかりますが教室でオススメしている方法でしっかり洗えば常に新品のような状態で使用できます。
ただ、ガチガチな筆では講師でも上手く描けません。
道具はしっかりお手入れをしてストレスなく使えるようすることを強くオススメします。
・筆洗器
筆を洗う容器です。穴が空いた中フタ的なものが2層構造になっていて下に水、上にウォッシングオイルを入れます。
必ず密封形を購入しましょう。
水の層にはヘドロのような油がたまるのでこぼすと大惨事になります。
教室ではアマゾンの安い筆洗器を実際使ってみてオススメしています。<詳しいレビューはこちら>
一度買うと買い換えるものではないので余裕があれば専門メーカーの商品を買うのもいいと思います。
(↑筆洗器の構造)
<お手入れの道具>
・油絵具を使った絵具はしっかり洗わないとあっという間にガチガチに固まります。
・ガチガチの筆と新品のような筆では上達の度合いや描きやすが変わります。
油絵具を使った筆は油汚れなので水彩絵の具やアクリルのような感じで洗ってもきれいになりません。
手間はかかりますが教室でオススメしている方法でしっかり洗えば常に新品のような状態で使用できます。
ただ、ガチガチの筆では講師でも上手く描けません。
道具はしっかりお手入れをしてストレスなく使えるようすることを強くオススメします。
・筆洗器
筆を洗う容器です。穴が空いた中フタ的なものが2層構造になっていて下に水、上にウォッシングオイルを入れます。
必ず密封形を購入しましょう。
水の層にはヘドロのような油がたまるのでこぼすと大惨事になります。
教室ではアマゾンの安い筆洗器を実際使ってみてオススメしています。<詳しいレビューはこちら>
レビュー要約すると専門メーカーのものより容器の厚みが薄いのと、接着してあったゴムパッキンが外れましたが
使用には問題ありません。
ただ、買い換えるものではないので余裕があれば専門メーカーの商品もいいと思います。
・ウォッシングオイル (300ml)
油性のクリーナーで、筆洗器に入れて使用します。
量が減ったら継ぎ足します。
300mlだと結構多いのですがその下は100mlぐらいでしか売っていないのでそれだとちょっと少ないかなと思います。
・水性クリーナー
油性クリーナーの後に使います。
こちらも減ったら継ぎ足して使います(見た目濁っていても使えます)。
また、500mlはやっぱり多めなのですが100mlだとちょっと少ないかなぁと思います。
水性クリーナーを使った後は拭き取らずに水と石鹸で洗いましょう。
・水性クリーナー用 ポリ容器(300~500cc程度)
塗料用の密閉容器で直径8cm以上だと刷毛なども使いやすいと思います。
ポリ容器であれば100均でもいいかもしれませんが、しっかり密閉したいです。
こちらも減ったら継ぎ足して使います(見た目濁っていても使えます)。
また500mlはやっぱり多めなのですが100mlだとちょっと少ないかなぁと思います。
あと、容器の底に100均に売っている食器洗い用のシリコンブラシを入れとくと汚れが落ちやすいのでオススメです。
・石鹸(※)
・洗い流さないリンス(※)
・ブラシ(※)
※の道具について詳しくは<筆のお手入れのページ>で紹介しています。
↑水性クリーナー容器
【あると便利なもの】
なくても大丈夫ですがあると安心かなと思います。
2B~8B程度の鉛筆(下書き用)
油絵は比較的修正がしやすい絵具ですが、形を描くことに自身がない場合は使いましょう。
ネリゴム
鉛筆でキャンバスに描くと消すときに、汚れが伸びてなかなか消えないです。
購入する場合はネリゴムの中でも消す力が強い「伊研 ネリゴム Paste Eraser No.30」をオススメします。
消しゴム
ネリゴムで消えにくい場合に。
デッサンスケール(ディスケール、デスケルとも呼ばれます)
画面にモチーフをどう入れるかを決める補助器的なものです。
フィキサチーフ
鉛筆などの定着用スプレー。
鉛筆で下描きを描いても、多めのテレピンで序盤描いたりすると、結構溶けて消えたりします。
これで定着させると、基本的に消えずに描けます。
筆立て(使用中の筆用と使用前の筆用の2個)
筆を直接机などに置くと場所を取る&転がったりするので筆立てがあると便利です。
100均のものでもいいのですが、油絵用の筆は長いので重めのものか、重りを入れるようにしましょう。
生徒さんの中には、ビー玉を入れて重りにしてる方もいます。
また、使用前と使用中の2つ筆立てを用意することをオススメします。
使用前の筆が、使用中の筆に触れて絵具がついてしまうと面倒です。
【購入をオススメしないもの】
入門セットによく入っているけれども、講師的にはいらないと思う物
木製のパレット
例えるなら、今ビンテージ車にあえて乗るようなものです(そこまで高品質な木製パレットがあるか分かりませんが)。
紙パレットの方が文句なく圧倒的に便利です。
デメリットとして、
■パレットが木の色なので色がわかりづらい。
■いちいち掃除をしないと新しい色や混ぜるスペースがなくなる(油絵具の付いたパレットをきれいにするのは大変です)。
こんな感じです。
メリットとしては、「油絵を描いている雰囲気」を味わえるぐらいかなと思います。
個人的に、入門セットに木製のパレットが入っているのは、疑問に思います。
油つぼ(画用液を保存する容器)
油つぼに関しては、野外で描くことがメインの人は、買ってもいいかなと思います。
教室で、オススメしない理由は、速乾性の画用液を使用しようすると油つぼの蓋を締めても固まってしまうことがあるからです。
固まるとそれを除去するのもかなり大変です。
あと、油ツボは小さいので刷毛などで幅がある筆では使えません。
そのようなことで画用液は絵皿で使用して使用後拭き取って処分したほうが便利です。
初心者の入門セットについてくる収納箱
こちらも、野外で描くのがメインであれば、ありかもしれません。
オススメしない理由はシンプルで、そのうち道具が増えて入らなくなるからです。
しかも、大体は木製の箱で結構重いです。
入門セットは最低限のものしか入っていないので絵を続けるともっと画材が増えます。
講師は予備校時代、工具箱を使ったりしていましたがそのような大きめの箱や収納ボックスを購入することをオススメします。
パレットナイフ
一言でまとめると、ペインティングナイフがあれば必要ないです。
パレットナイフはパレット上で絵具を混ぜたり、掃除をするとき残った絵具をとったりするのが目的なのですが、全てペインティングナイフで出来ます。
ただし、小さいナイフだとやりづらいです。
講師も自分の制作用にパレットナイフを持っていますがまったく使っていません。
以上、長文になりましたが講師が真剣に考えた油絵初心者向けの入門道具についてでした。
全て読んで頂いた方がいましたらとても嬉しい限りです。
また、油絵専門の身として一人でも油絵をはじめる方が増えることを願います。
<関連ブログリンク>
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