先週の日曜日に世界堂の本店にいったところ、アルキド系絵具「Aqyla(アキーラ)」の体験ブースがありました。
時間もあったので使ったことがなかった「ラピットメディウム」と「アルキドメディム グロス」を試したので感想を書きたいと思います。
何故かここらへんのメディムはメーカーHPにも載ってなかったり、ネットショッピングでもほとんど出回ってないです。
興味がある方はアキーラーのリーフレットに詳しい情報が書いてあります(大きめの画材屋さんにあると思います)。
アキーラは水性絵具なんですが油性絵具の上に描くことが出来る珍しい絵具です。
また、アクリル絵具と同じぐらいの乾燥時間(表面のみで中はゆっくり固まる)でアクリルよりも少し柔軟性があり、艶もあります。
個人的にはアクリル絵具の上位互換のイメージをもっているオススメの絵具です。
結構前になると思いますがアキーラはラベルや色の名前などが変更され、新しいメディウムも追加されました。
今回はそれを試したという感じです。
絵具の性質など全て説明するとても長くなるので今回はそういう知識があることを前提に書きます。
「アキーラ アルキドメディム グロス」
用途としてアクリルのジェルメディウムと同じ感じで粘度的には少し柔らかめ。
特徴としてかなり黄色い(クサカベの超速乾メディウムのような色)です。
固まっても黄色さが残るので白に混ぜると黄ばみそうでした(これは試すのを忘れました)
「アキーラ ラピットメディウム」
乾燥をを早くするメディム。
ホルベインからも油絵具用で同じ名前の商品がありますね。
アキーラの表面乾燥はアクリルと同じぐらいの速さなので中まで完全乾燥させる(耐水性にする)ために使うメディムです。
ちなみに表面乾燥の状態で、水をつけた硬めの筆でこするとアキーラは絵具が落とせる性質があります。
混ぜると予想以上に乾燥が早かったです。
何も混ぜてないアクリル絵具よりも乾燥が早い感じがしました。
「アルキドメディム グロス」と違い、こちらは透明で「アクリル絵具のジェルメディウム」と同じ感じの色でした。
乾燥するとかなり透明になるところも似ています。
なので、例えば「メディム 9:絵具 1」などメディウムメインで描く人はジェルメディウムよりもラピットメディウムのほうが色の変化が少なく扱いやすいと思います。
ただ、リーフレットに「一度に厚塗りをしない」と書いてあるので一度に極端に厚く塗るとひび割れのおそれがありそうです。
ちなみに、ペインティングナイフで1,2mmぐらいの厚みで塗ってみた感じは特に問題なさそうでした。
あと、乾燥を早める方法として何も混ぜてないアキーラで描いたものの上にラピットメディウムだけを塗っても効果がありました。
イメージとしては上から密閉をしちゃう感じですね。
ただ、絵具全般に言える下の絵具が全然乾いていない場合やさらにそれが極端に厚塗りな場合で上の絵具の乾燥が早い場合、乾燥亀裂が入りそうな感じはします。
また、アキーラは油絵具の上に塗れるのが一番の特徴だと思うので例えば、油絵具の透明系メディムを使うよりも乾燥時間を大幅に減らせます。
メーカーはオススメしないと思いますが油絵具がある程度乾いた状態でラピッドメディムを上から塗り、密閉して乾燥時間を早めるという力技なども出来そうです。
これは自分で近々試してみたいと思います。
その他に「リターダー(乾燥を遅くするメディム=グラデーションやぼかしに良い)」などもあったので参考にリンクを貼ります。
今までのアキーラはアクリルと比べてメディムがほとんどなかったのですが、新しくなってから種類が増え、表現の幅も広がりより扱いやすくなったと思います。