今回はタイトル通りデッサンのモチーフの「色と質感」についてです。
デッサンと言えば石膏像をイメージされると思いますがその通りで石膏像の色と質感は描きやすく初心者にオススメです。
ただ、幾何形体ではなくマルスなど人物の石膏は形が複雑なのでオススメしません。
石膏像の色と質感を具体的に言いますと「白くてマットな(光沢がない)質感の物」です。
理由は陰影を観察して描くにはその条件が一番わかりやすいからということになります。
<質感と色>
「円柱:マット、白」「花瓶:光沢、白」「消臭スプレー:液容器は光沢、上部はマット、黒」「コロコロ:ケースは光沢、取っ手はマット、オレンジ、+金属」
まず、質感についてですが光沢があるとその反射している光(映りこみ)を描く必要があります。
例えば、画像だと花瓶や霧吹きの液が入る容器、コロコロの収納ケース、ビンなどです。
これは物を立体的に描くというよりも質感を描くことに強く関係します。
なので、マットで映り込みがない質感の方が立体的に描くことに集中できていいんですね。
次に色ですがやはり白が陰影の変化が分かりやすいです。
これは影が基本的に黒系なので一番白黒(明暗)のコントラスト(対比)が強く出るといっていいでしょう。
描く用紙も基本的に白なので固有色に近い感じで描けるということもあると思います。
例えば、他の色は「白黒で表現するとどうなるか?」という変換作業が必要になります。
黒の場合は陰影と似た色なのでやはり白よりわかりづらいですね。
画像の消臭スプレーがそれです。
特に黒色でマットな質感は陰影が非常に見えづらいです。
ということで、初心者のデッサンは白くてマットな質感のモチーフをオススメします。
ちなみに、形がシンプルであまり平板では無いものを選ぶとさらに良いと思います。
< モチーフ選びや色と明暗に関連した過去のブログ >
・「デッサン初心者向けのモチーフの色は「ライトグレー」がオススメ<背景の白色問題>」
・「絵を描くときに白黒(無彩色)とカラー(有彩色)ではカラーの方が圧倒的に難しい理由」
・「<絵画全般>見たままを描いても見たままのようにならない理由」