この前のブログ「低予算でつくるデッサン用石膏像(もどき)DIY②」の写真を見て構図や配置の説明に使える部分を見つけました。
適当に写真を撮るとこういうことがよくあります。
今回は「物と物との重なりと距離について」簡単に説明します。
この写真ですが自然に描くことを前提として、モチーフを動かしたほうが良いところが4つあります。
緑色の4つの丸が気になる場所で、青丸はできれば変えたほうが無難というところです。
何が問題かを先にいうと「平面的に見える(奥行きが弱く見える)ことと、必要ないところに視点が集中すること」です。
とりあえず、球を見てみましょう。
<修正前>
球を輪郭線で見ると2つがギリギリの距離で重ならないので
前後(の空間)感が出ていないです。
さらにこのモチーフの場合奥の球の方が大きいです。
物は奥に行くほど小さくなりますが、この場合はそうみえないので
より平面的に見えてしまいます。
また、物と物の隙間をギリギリに配置すると人の視線はその隙間に
注目してしまいます。
今回は注目させる必然性がありません。
<修正後>
こちらは手間と奥が分かりやすいように2つの球を重ねて
配置しました。
モチーフの配置は「重ねるならしっかり重ねて、離すならしっかり
距離を離す」ということが自然に描くときには重要です。
なので、今回使用した写真を見たまま描いてもなかなか自然な
印象にはならないんですね。
さらに細かくいうと机の奥の輪郭線と球もギリギリ近くにありながら重なっていないので、その線も球に重ねてあげると
前(手前の球)、中(奥の球)、後(机の輪郭線)さらに奥の壁となり自然な奥行き(空間感)になります。
机の輪郭線が浮いているように見える。
このくらい球に近いとやはり奥にあるように見えづらいです。
机の輪郭線を奥の球に重ねてあげましょう。
<ビフォー>
<アフター>
立方体に丸をつけた場所は机の奥の輪郭線と奥の立方体の輪郭が
1本の線のように重なっています。
こうなると当然前後感がわからないのでこちらも机の輪郭線を下げて
奥の立方体に重ねると自然な奥行きになります。
ある部分を修正するとそれよりも主張が弱いけれど違和感がある場所をさらに発見することは多々あります。
なので、一度修正してもそれによってどう画面全体の見え方(関係性)が変化したかを客観的に見る必要があります。
結構自然な奥行き(空間感)を出す配置って頭を使います。
丸印をした他の場所についてはまた今度説明したいと思います。